最近,Twitterからのお問い合わせで
「どうやって文献収集しているのか?」
「家庭医療以外の論文を読む暇はありますか?」
というご質問をいただきます。
以前からご紹介していたかもしれませんが
生涯学習に役立つツールとして
Evidence Alertsをご紹介いたします。
EvidenceAlertsは、新しく公開された臨床研究について医師や研究者に通知するインターネットサービスです。McMaster Health Information Unitの研究者は、126の主要な臨床ジャーナルから最高品質の研究、レビュー、およびエビデンスに基づく臨床診療ガイドラインを見つけ、これらの記事は、臨床的関連性と関心について開業医によって評価されています。アラートは、あなた自身の臨床的関心に合わせてキュレーションされます。
EvidenceAlertsの現在の機能は次のとおりです。
健康問題の原因、経過、診断、予測、予防、治療、品質改善および医療経済学に関する専門の研究スタッフおよび第一線の臨床医による記事の選択。 新しい証拠についての電子メールアラート。各アラートには、McMaster Online Rating of Evidence(MORE TM)の臨床評価とコメント、PubMed(利用可能な場合)を介した記事の要約およびPubMedまたは発行者のサイト(無料で利用可能な場合)を介した全文記事への電子リンクが含まれます。
PLUSの現在の機能は次のとおりです。
明確な基準に従って、健康問題の原因、経過、診断、予測、予防、治療、品質改善、および医療経済学に関する専門の研究スタッフによる記事の選択を伴う、126のジャーナル(すべてのコクランレビューを含む)の系統的レビュー、高い再現性および定期的な品質保証チェック* 記事が関連する可能性のある各分野について、少なくとも3人の開業医による、臨床的関連性と報道価値についての適格な各記事の評価がなされます。
早速トップページをみると過去30日間でよく見られている論文が紹介されています。
※リンクは貼っていません あくまでこんな感じという紹介なので
これだけでも満足ですよね。
ですが,これを習慣的にみるのは少し大変なので,アラートをかけることをお勧めします。
アラートは,★いくつに設定するかで紹介される論文が変わります。
私は欲張りなので,すべての論文を毎日更新という設定にしています。
指定されている分野も,てんこ盛りです。
救急,内科,家庭医療学,公衆衛生,臓器別内科,腫瘍内科,小児科,産婦人科,精神科といった感じです。
これで届いたメールにさらっと目を通すだけにしておいて,流行りの論文をおさえておきます。本文はあえて読みません。
よほど面白そうなものか★6,7のものだけ読んだりします。
すると結構ふるい落とされるのですが,10/1, 10/2, 10/3と結構豊作なのです。
結論が容易に覆ったりしますので,話題についていくだけにして,タイトル流し読みです。
※これにはリンクを貼っておきます。興味のある論文があれば押して見てください。
最後のアスピリンの論文の上手って何?と思われた方。
Gutですって。こういうのはご愛嬌です。
こんなメール毎日読んでいられないよ!
と思われた方もきっといらっしゃると思います。
★の数を厳し目にしたり,見たいジャンルを絞ったり,メールが届く頻度をゆっくりにするだけで自分に合った情報収集ができると思いますので,お気軽にお試しください。
これらの論文がSNS(FacebookやTwitter)で流れてくることが多いです。
なので,最近の勉強はメールとSNSで事足りるようになってしまいました。
(誰をフォローしたら良いのかもオススメはいますが,ニーズがあれば紹介します)
趣味の論文サーフィンや執筆に必要な論文収集に時間を割きたいので,プライマリ・ケアのお勉強はさらっとできるのが理想的です。
そして,その批判的吟味は
第17回【医学論文:青島・矢吹のゆる読み⑰】慢性冠症候群に対するコルヒチン-NEJM 2020 RCT
とかを通勤中に流したり
栃木県の総合内科医のブログを読んだり(とにかく情報量が多く,更新も早い。医師ブログの最高峰と言って良いのではないか。)
南郷先生のブログを読んだり(更新頻度は多くないが,良質なまとめを読みたいときにはオススメ。なんごろくというEBMのページでも有名)
今日なに読もう〜病院総合診療医の論文ブログ〜だったり(圧倒的な更新頻度と,決して他とかぶらないネタの豊富さが魅力。爪シリーズとかは,このブログを使ってレクチャーしたこともあります。)
ある病院総合診療医の備忘録+αだったり(原田先生のブログは病院総合医のジャーナルクラブや臨床推論の勉強会に参加しているような読了感があります。内容の芸術的な短さは私も見習いたい。)
Voice of ER ー若輩救急医の呟きーだったり(勉強ブログのスタンス。病院家庭医の私のブログの救急バージョンのような印象。更新ペースが早く見習いたい。YouTubeにも関わっているというところからもアウトプットの熱心さが分かる。)
医学教育つれづれだったり(医学教育に特化したブログでは,このブログが最もアツいのではないかと思う。論文紹介が中心だが,ニッチな領域の論文紹介はそれだけで価値が高い。文章量も短くとっつきやすい。)
膠原病・リウマチ一人抄読会だったり(膠原病・リウマチ内科の論文紹介が中心だが,一般内科にも役立つコンパクトな内容になっている。内容の割に注目度が低い気がする。隠れた名店的なブログである。)
リウマチ膠原病徒然日記だったり(コラボすることも多い京大の吉田先生のブログ。膠原病内科のブログというのはなぜこんなに美しいのだろうか。テーマがそもそもば映えやすいのかもしれない。画像を豊富に使用していてデータベースにもピッタリ。研修医教育にも役立てています。こちらももっと注目されても良いブログだと思います。)
上田剛士先生のブログだったり(洛和会丸太町病院の非公式ブログとあるが,上田先生曰く公式ページとも繋がっているらしい。上田先生の圧倒的な知識を無料で読めるなんて贅沢なWebサイトである。)
文献斜め読み2を読んだり(慢性疼痛・ペインクリニックの勉強が中心。丁寧に文献紹介されており,更新されたら要チェックである。)
神戸の若手家庭医のブログを読んだり(家庭医療専門医の松島先生のブログ。家庭医療ブログは大きく分けて,日々の診療で学んだことをまとめるか,家庭医療の理論をまとめるかに大別されるが,前者のまとめが中心。だからこそ良い刺激になる。家庭医は必読である。)
りんごの街の救急医のブログを読んだり(青森の救急専門医による論文紹介系ブログ。救急の論文は目を引くテーマが多いので,筆者のセンスが問われるが,実践に役立ちそうなテーマのチョイスが多い。一通り読んでおいたほうが良い。)
築地の病院総合診療医のブログを読んだり(臨床推論特化型ブログ。ともすると冗長になりがちだがうまくコンパクトに纏められている。臨床推論の勉強会に参加したような満足感有り。CPSは一人で読んでいても先が気になって精読できないので,こういうまとめは非常にありがたい。)
総合内科医 とーますのブログ/Rural Internist Thomas's blogを読んだり(病院総合医の雑記ブログ。だからこそ等身大の病院総合医の考えていることが分かり参考になる。)
藤沼康樹事務所(仮)for Health Care Professional Developmentを読んだり(家庭医療学のレジェンド。どのエントリーもコンパクトにまとまっているが,内容は極めて濃厚。写真やPodcastもあり才能がほとばしっている。ジャンルは家庭医療というよりも藤沼康樹という一つのジャンルである。私もこのブログに憧れてブログを始めたはずなのだが,いつの間にかこんなふうになってしまった。マネできない。)
燃え尽き脳神経内科医の備忘録・学習記録を読んだり(脳神経内科医の専門特化型ブログ。タイトルだけでも目を通しておいて,いつでも見られるようにしておきたいブログである。)
育休中の家庭医のブログを読んだり(家庭医療専門医の日記系ブログ。非常にきれいな文体で日々感じる想いがダイレクトに伝わってきて読みやすい。私もこういう文章が書きたいものである。家庭医を目指す若い女性医師・医学生には是非読んでいただきたい。)
地域医療日誌を読んだり(私も連載記者の一人である地域医療ジャーナルの編集長のブログ。私はすっかり復帰のチャンスを逃しているが,総合診療の老舗ブログであり豊富なテーマでタイトルを読むだけでも興味をそそられるであろう。私もすっかり遠のいてしまったが連載記者として再起したい。)
朝活研修医(総合診療科、小児科)のブログを読んだり(論文紹介。総合診療+小児科領域というテーマもニッチである。図表が豊富で読みやすい。テーマを一通り頭に入れておきたいブログである。)
Dr.Yukaの5分間ティーチングブログを読んだり(5分間ティーチングで有名な救急専門医の北野夕佳先生のブログ。更新頻度は少ないが,知っておきたいテーマを実践的な図表でまとめられていて,そのままポケットに入れておきたいブログである。)
General-IDのブログを読んだり(感染症内科に特化したブログ。論文紹介が中心。COVID-19の臨床研究も積極的に紹介されており,社会からのニーズは高い。)
岡山の家庭医の読書・勉強ブログを読んだり(家庭医療専門医の横田先生のブログ。私が家庭医療の論文特化型だとすれば,ノンテクニカルスキルや家庭医療の話題提供を手においたブログである。家庭医の勉強記録と言ってもよいであろう。家庭医療専攻医も家庭医療に興味がある医学生も必読である。)
病院家庭医を目指して ~野望達成への道~を読んだり(言わずとしれた佐藤健太先生のブログ。佐藤先生には一緒にされたくないかもしれないが,私と非常に興味の方向性と考え方が似ており読んでいて心地よい。医師ブログというよりも佐藤先生のポートフォリオとも言えるような充実の内容である。私のブログも影響を受けていたはずだが,いつの間にか私はこんな感じになってしまった。)
毎日精いっぱい生きる事が一番の修行なのですII | PCIJ (Primary Care Institute Japan) 代表 岡田唯男のブログ を読んだり(亀田ファミリークリニック館山の岡田唯男先生のブログ。更新頻度はゆっくりであるが,一つ一つのエントリーの質が高い。RSSリーダーに登録して更新されたらチェックできるようにしておいてほしい。)
K noteを読んだり(家庭医医療専門医の加藤先生のブログ。アカデミックな家庭医療学の解説ブログである。家庭医療学とは何かを知らない方も,家庭医療学をなんとなく学んでいる方も是非読んでいただきたい。キャリアのヒントになることうけあいである。)
sakiyama noteを読んだり(九州大学大学院で医療経営・管理学を学ばれている崎山先生のブログ。家庭医だけでなく10年目付近の医師には刺さる内容なのではないだろうか。個人的には必読ブログの一つである。)
コミュニティホスピタリスト@奈良 を読んだり(市立奈良病院総合診療科の森川先生のブログ。総合内科と家庭医療学への融合は日本の病院総合医のモデルの一つになるのではないかと思う。スライドを惜しげもなく公開しているので,まずは読んでいただきたい。)
家庭医・総合診療医の省察的実践録 を読んだり(アカデミックGP寄りの雑記ブログ。論文にも果敢に挑まれているため,家庭医のお手本のような立ち位置であろう。私のブログの上位互換みたいなものである。)
あめいろぐ -在米日本人医療従事者の情報発信サイト-を読んだり(これはもはや一つのコンテンツである。米国で働く日本人医師たちがグループブログを高いレベルで行うとこうなる。米国で働くことを考えているなら参考になるだろう。)
新潟の総合診療医、家庭医療専門医・Dr.がわそのBlogを読んだり(新潟の家庭医療専門医の先生の日々の学習記録。総合内科的な視点でのまとめが多く,初期研修医や学生にも役に立ちやすい内容である。世代を感じる曲紹介もあるが,それも個性ということで。)
と紹介したらきりがないです
案外漏れていたら大変申し訳無いですが「私が紹介されていない」と教えて下さい。
家庭医・総合診療医ブロガーマップ も参考になります。(開いてみると分かりますが,まだ全然足りません。もっと組織的にまとめて欲しいと願ってやまない期待大のページです。)
(ここからは追記)
Hospitalist ~なんでも無い科医の勉強ノート~ (これはもはや教科書です。テーマだけ覚えておいて辞書的に検索します。細かいところまで読んでいると時間がいくら合っても足りませんが,臨床で困った時にブログ内検索をするとたいてい見つかります)
呼吸器内科医ブログは(医師ブログの老舗。さすが専門医という専門特化型の情報収集が参考になります。論文が好きなんだろうなという親近感があります。)
内科医のジレンマ(私のブログに通づるところがありますが,自己研鑽の姿勢が勉強になります。診療スタンスが大変真面目です。Hospitalistのお手本になるでしょう。)
Physician | ”ひたちいなか”の孤高の総合内科医:コツをコツコツ!(総合内科医の柴崎先生による雑記ブログ。一つ一つがコンパクトで読みやすく話題も豊富である。総合内科医の頭の中が垣間見えるブログとなっています。)
YAMAGATAxGP(家庭医療専門医の深瀬先生のブログ。雑記ブログ型ですが,非常に文章が読みやすい。最近はPodcastもされていて,その配信のコツなども公開している。アウトプット型家庭医のお手本になると思います。)
よく考えたら,読んでいるブログを思いっきり披露した神回かもしれません。
Evidence Alertsの紹介(と思ったら後半はブログ紹介みたいになっている回)でした。