【出版報告】南山堂 終末期の肺炎
おそらく,私の飯テロのような宣伝を沢山お目にしたことでしょう。
その表紙はさながらdancyuのような医学書です。
左下に寿司の写真出ていますが,センスの良さでは負けていないと思います。
あとは南山堂のnoteで『寿司』というタグが付けられ,こんな素敵な宣伝をしていただけたことはとても嬉しく思います。(一緒に表紙について討論した甲斐がありました)
本日から全国の書店に入荷されているとのことで,Twitterでも紹介され始めました。
(全国の本屋の関係者様,是非『通称:寿司本』を入れてください!この写真のように『総合診療』コーナーに置いていただけると嬉しいです。)
大浦誠『終末期の肺炎』(南山堂)入荷しました。
— 精文館書店 本店3F (@seibunkan_3F) 2020年12月19日
★終末期の肺炎とはどのような状態をいうのか。終末期の肺炎に抗菌薬を投与する以外の治療はあるのか…。終末期の肺炎を総合診療の視点で解説。治療の枠を超えた家庭医療のフレームワークも紹介。『治療』掲載を書籍化。 pic.twitter.com/mP3U9roHXb
そして早速の誤植のお知らせもいただきました。じっくり読んでいただけて嬉しいです。他のご連絡も楽しみに待ちたいと思います。
【誤植】終末期の肺炎 5ページ9行目の参考文献13
— 大浦誠 (@makotoura) 2020年12月19日
尾崎先生ではなく岡崎先生の間違いです。大変失礼しました。もう本が届き始めているようで,じっくりと読んでいただけて嬉しいです。
ちなみにこの論文です。必読論文です。https://t.co/xUDkh0hdkm
増刷される時には直っていると思います。
岡崎先生,もしご覧になっていましたら失礼いたしました。
そして,予約前の売れ行きも上々で
楽天ブックスでは医歯薬看護(その他)で2位
一瞬でも『今日の治療薬』を越えているのが良き思い出です。
Amazonでは全ての本で245位。
そして全医学書(一般書込み)で8位。びっくりです。
この本を書いたのは私一人ではありません。(一部の原稿は書きましたが)
私のような田舎の家庭医が何かを書いてもこんなに売れることはなかったと思います。
これは多くの方々とのご縁の賜物だと思っています。
ここでもインタビューをいただいたのですが
家庭医として南砺市に恩返しをしたいので,今の病院を選ぶ。
指導医が摂食嚥下・終末期をテーマにしていたので,勉強する。
院長が臨床倫理をテーマに活動していたので,お手伝いをする。
家庭医療を勉強したいので,全国の指導医にSNSを通じて議論を深める。
富山でも家庭医療の勉強会が活発になり,教えることで学ぶことを知る。
日本プライマリ・ケア連合学会関連では
日本プライマリ・ケア連合学会 専門医部会若手医師部門に加わる。
学会のあり方・知的活性化プロジェクトチーム(通称チーム岡田)に加わる。
HANDS-FDFという人材育成の有名プログラムに推薦される。
日本プライマリ・ケア連合学会若手病院総合医チームに加わる。
つまり,好きなことを色々しているうちに,全国の病院総合医と交流できて
素敵な総合診療の先生方と一緒に誤嚥性肺炎をテーマにした講演をする機会に恵まれました。(この写真に写っている上田先生,佐藤先生,森川先生,川島先生,官澤先生,崎山先生という全国区の先生方にも終末期の肺炎に書いていただいています)
この勉強会が終わって,その足でトロント大学の研修に行くことになったのもいい思い出です。この時点でも,運のいい人生だなと思います。
さらに幸運なことに,この勉強会をどうまとめたものかという話になり
南山堂から『治療』という雑誌に特集しませんか?というお話をいただき
生まれてはじめて,雑誌を編集するという経験をしました。
この時点で,当院の指導医による終末期医療の知識と,臨床倫理チームの倫理・法律・哲学の専門家と,病院総合医チームの皆さんの臨床力と,HANDSで学んだ交渉力などのノンテクニカルスキルと,家庭医療学がバランスよく学べる雑誌を作ったつもりでした。もう,私の中では完結です。ありがとうございました。
と思っていたら,その次の年にまたお話をいただき2度目の編集幹事のお仕事をさせていただくことになりました。私の中では,完結していた前回の雑誌とは切り口を変えて,食べられなくなった時にどのように意思決定していけばいいのかを,家庭医療のフレームだけでなく,色々なものを駆使しながら考えていけるような企画を考えました。
もう,これで終わりでしょう。お疲れさまでした。
と思っていたのですが,この2冊は雑誌という形態なので,増刷ができずに売り切れてしまったので,もう欲しいと思ってもどちらも謎のプレミア価格になってしまっていたのです。授業で使いたいので注文したいというありがたい声もあったのですが,在庫がなくなってしまい叶わぬ夢になってしまったのです。
せっかくいいものを作っても,印刷物は限りがあるという事に気づいてしまい,書籍化に挑戦しようと思った次第であります。
長い前振りでしたが,思い立ってから約2年。
こう書くと2年間ずっと考えていたようですが,もともと頭の中にあるものを企画書にまとめるまでに敷居が高かったり,著者の先生方に連絡をとるなどの事務的なところが非常に手間になったり,校正のチェックのため何度も原稿を読んでは頭を抱えておりました。編集者の方にもさぞご心配をおかけしたことでしょう。
私の意識するところは
『終末期の肺炎』と書いてあるけど終末期でも肺炎でもなくて,総合診療医が地域の病院で普段から実践していることが書いている本
です。大げさなことをいうと『病院家庭医の実践書』を目指していて,これを読めば病院家庭医がどんな事をしているのかわかる本になればいいなと思っています。
総合診療医ってどうやったらなれるの?
とよく聞かれます。
私は特定の学会やプログラムに入れとか専門医機構がどうとかそういうアドバイスよりも,『自分がなりたい医師になればいい』と思っています。私は総合診療医なのかわかりませんが,自分のやりたいことをやっているうちに,この本ができました。そして,今はMultimorbidityという少し違った角度からの勉強を進めています。
どうやったら総合診療医になれるのかはよく分かりませんが
今が医師人生のピークであり続けていると思います。
みなさんも昨日よりも少しでも成長しているという実感と
このまま明日になり,1週間後,1年後,10年後になったらどうなっているんだろうというというワクワク感で日々楽しく過ごしていただければ良いなと思います。
そんなわけで,さっぱり本の紹介になっていませんが
Amazon,楽天のリンクを張っておきます
クリスマスプレゼントにどうぞ。
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