AFP's Top 20 Articles of 2019
https://www.aafp.org/journals/afp/explore/top-20-of-2019.html
前回のブログでは夜中のテンションでPOEMをまとめてしまいました。
ありがたいことに多くの方に読んでいただけて、私が普段書いているようなマニアックな家庭医療学の最新論文を出しても100人/日ぐらいの方が見てくださっている当ブログも、その10倍の方に読んでいただけたようです。早い話がバズったわけです。
それに味をしめたわけではないのですが、POEMではなく2019年のAmerican Family Physicianのビュー数ランキングTop20を紹介させていただきます。家庭医療の一流ジャーナルでもっとも読まれた論文なので、既に読んだことがあるものもあるかもしれませんが、良い復習になると思い紹介します。(注:味をしめただけともいう)
1位
やはりこれか、という感じです。
重要ポイントは
成人の感冒
有効な治療法は、経鼻的イプラトロピウム(アトロベント)、市販の鎮痛剤に限られます。亜鉛、抗ヒスタミン薬を併用する場合と併用しない場合の鼻汁除去薬、咳止めのイプラトロピウムなど。質の低いエビデンスは、ラクトバチルス・カセイが高齢者に有益である可能性。
機械翻訳なので誤訳はご勘弁を。
本文読んで感心したのは
・症状の初日には、イブプロフェンとプソイドエフェドリン(ディレグラ)含む薬を服用すると、風邪の重症度が軽減されることがあります。
・イブプロフェンを中心とした薬物には、頭痛、耳の痛み、筋肉痛、関節を減らす効果があるが痛み、くしゃみはあるが、咳、寒さの持続時間は改善しない。
・アセトアミノフェンは鼻漏や鼻閉塞を短期的に緩和することができるが、喉の痛みには効果がない。
・オキシメタゾリン(ナシビンMスプレー)経鼻投与時の鼻炎リスク
・抗ヒスタミン薬は治療の最初の2日間で最も顕著
・抗ヒスタミン剤単剤療法は有効ではない
・持続性咳嗽を改善する唯一の薬物が経鼻的イプラトロピウムである
・サルブタモールとの併用によるイプラトロピウムの経口投与(短時間作用型β作動薬)は最初の 10 日間の咳を改善します。20日目には効果は認められなかった。
・酢酸亜鉛またはグルコン酸ロゼンジを1日に少なくとも75mg摂取すると、咳や鼻汁がより緩和される
・無作為化比較試験では、3つのラクトバチルス・カセイを含む発酵乳製品を毎日数ヶ月間使用したところ、高齢者ではURI症状の持続期間が1.5日短縮された。
成人の感冒に効かないもの
抗生物質
抗ヒスタミン剤単剤療法(鎮静と非鎮静剤)
鎮咳薬と去痰薬
コデイン
エキナセア
鼻腔内コルチコステロイド
ペラルゴニウムsidoides(アフリカゼラニウム)
加湿加湿空気
ビタミンC
ビタミンD
ビタミンE
小児の感冒
小児に対する安全で効果的な治療法として確立されているのは、アセチルシステイン、ハチミツ(1歳以上の小児用)、鼻腔内生理食塩水の点滴、イプラトロピウムの経鼻投与、カンファー、メントール、ユーカリのオイルを含む軟膏の外用のみである。市販の風邪薬は、4歳未満の小児には使用してはならない。
小児の感冒に効果のないもの
患者に良好な手指衛生の重要性についてカウンセリングを行うことは、風邪ウイルスの感染を防ぐための最良の方法です。
患者に感冒の自然経過を伝えることで、期待値を管理し、抗生物質の使用を制限し、不必要な市販薬の購入を避けることが重要です。(表2)
治療薬のエビデンスよりも、しっかり経過を伝えることが大事というのは大変良い主張だなと感じます。
具体的には
①抗生物質が役に立たない理由を説明する
「風邪はウイルスによって引き起こされるため、抗生物質は役に立ちません」「将来の細菌感染のためにとっておきましょう」
②できる治療法を提案します。
「咳にはちみつ、筋肉痛のためのイブプロフェンやアセトアミノフェン、および鼻詰まりに抗ヒスタミン剤の有無にかかわらず、経口的に使用できます」
③経過を説明する
「倦怠感を引き起こします。ほとんどの人は咳は1週間でよくなりますが、タバコを吸っていると長引くかもしれません。」
④改善しなかったらどうするかを説明する
「38.3℃以上の高熱、咳、息切れ、または非常に悪い頭痛や顔面痛があれば電話してください。」
1日1本紹介ぐらいで、軽くまとめます。