三重総診Presents 総合診療虎の穴で講演させていただきました
講演報告ばかりでなくちゃんとした勉強記録を書かねばならないのですが,今回も講演報告です。
三重大学総合診療部による初期研修医向けのマルモセミナーをさせていただけました。
三重大学といえば総合診療部の勢いのある老舗です。
そのようなところで私がお話できるのは大変光栄なことです。
宣伝になりますが,三重大学総合診療部の豊富な関連施設でオーダーメイドな研修を選べます。(山本先生のスライドを許可をいただき公開しています。宣伝になれば幸いです。)
指導医のバックグラウンドの多彩さも魅力的です
研修サポートも豊富です。
キャリアの多彩さも魅力的です。内科専門医にもなれるというのはいいですね。
三重で総合診療をしたい方は是非
HPもありますので興味があればぜひご覧ください。
以上,宣伝でした。
宣伝もう一つ
前座と言うにはあまりに勿体ない谷崎隆太郎先生の本が先日発売されました!
(谷崎先生は本日お誕生日だそうです。おめでとうございます!)
谷崎先生の講演の面白さはAntaaでこのスライドをご覧になっただけでわかると思います。
この本は基本の5原則(POMA-R)でまとめた,ケーススタディの本です。
医学生・研修医の先生にも非常におすすめです。
指導医の先生にも,教え方の軸でとてもわかり易いと思います。
POMA-Rは,糖尿病診療でいうHOMA-Rみたいだなと思ったら,予想以上におもしろい結論でした。(著作権の関係でここでは言えません)
実践的なケーススタディで,一部のレクチャーだけでも大変面白かったです。
グラム染色のやりかたが動画で解説されているのもポイント高いです!
感染症専門医の思考過程を追体験できるところもいいですね。
Amazonではすでに売り切れしております
https://www.amazon.co.jp/dp/483061031X/
どうぞご購入ください!
(これを発表中に作成するというのはなかなかしんどいですね。)
今回の参加者層をみると,合計60名で学生,初期研修医,専攻医がちょうど4割
あとはスタッフ以上の方ばかりで,ハイレベルな集団のなかでわかりやすいレクチャーをしなければならないという実に困難度なお題をいただきました。しかもよく見れば医師以外の方もいらっしゃる。ターゲットが絞りにくいのですが,むしろマルモのターゲットは医師だけではないことをお伝えできるチャンスでもあります。頑張りがいがあります。
そんな今回の講演での工夫は,事例を1つに絞ることです。
なにげにいままでやっていなかったのですが,トライアングルのステップを同じ事例ですることで,実際の考え方を見せることになるのではないかと考えます。このブログを公開する頃には発表直前になっているでしょうから,実際にはどのような展開になるのか大変興味深いところです。
そして,もう一つのメッセージはこれです。
良く症例報告やると,患者さんのキャラクターはわからないのでなぜこの治療を選択したんだろうと質問してはじめて「患者さんと話し合った結果,こうなりました」という流れになることがあります。
谷崎先生のPOMA-Rでは,Patientになるのでしょうね。
感染症においても患者背景は重要なのです。(谷崎先生の講演スライド掲載許可あり)
つまり患者さんを真摯に診療しているはずなのに,症例提示のプレゼンテーションでは省略されてしまうのです。これを入れすぎると,医学的なディスカッションのノイズになるからかもしれませんが,普段の診療ではこれを想像するよう心がけるだけで,柔軟な発想ができるようになります。
これに特化して鍛えるのがマルモカンファレンスなわけです。
当院では月1回実施されています。興味があれば是非ご参加ください。
後半の宣伝は自分のことばかりになっていますが,今から講演です。
あとから,追加報告をさせていただきます。
(つづく)
発表終了しました。
三重大学総合診療部の山本憲彦教授をはじめとして,総合診療部のメンバーの皆さまが多くのご感想をくださり,「初期研修医や医学生向けのレクチャー」ではなく,多くの総合診療医に刺さる内容になったものと満足しています。(決して難易度調整を間違えたわけではないと信じています)
アンケート(20名)でも
と良い評価をいただけましたし
感想でも
と温かい感想をいただき,今後もっと発展していくのではないかと夢見ています。
特に今回,出てきた名言として
「逆説的に、専門医に相談しまくると逆にシンプルになる」
「プライマリケアのパラドックスの題材になるかも」
「専門医との協働ということは【pertialに委任する】ということではない」
「処方カスケードは,総合診療医がハブになるとうまくいく」
などであったかと思います。
今後の展望で3つのカンファレンスを企画していたのですが,喋っているうちに4つ目が浮かんだので,こういう発表の機会は発表している私自分が一番得をしているなと感じました。
この度は三重大学総合診療部の皆様には大変お世話になりました。
ありがとうございました。