嚥下エコーを実際にやって感じたこと
また、やってもないくせに嚥下エコーか
と思われたあなた。
今回は本当に実践したので、感想を忘れないうちに書き留めておきます。
なかなか実践に移せない方にも励みになると思います。
最近のエコー記事
嚥下エコーの見るべきポイントは2つだけという話をしました(やっていないくせに)
嚥下エコーは実際のところどういう時に使えるのかについてまとめました。
(もちろんやっていません)
嚥下エコーをBモードだけでなくMモードでみる研究を紹介させていただきました。
(当然ですがやっていません)
こんなに記事を書かせていただき
書いた日には、普段の倍以上のアクセス数になり
(グラフの飛び出ているところが嚥下エコーの日)
結果的にフォロワー数も11/8に1600人だったようですが、20日間で2600人になっていました。
少しずつ増えていたので大きな変化だと思っていませんでしたが、こうしてみるととんでもないですね。嚥下エコーの事を書くと盛り上がるという、禁断の果実を見つけてしまいました。
書けばウケる鉄板ネタなのですが
まだ実際に嚥下エコーをやったことがないのが問題でした。
そんなある日のこと
チャンスは突然、やってきました。
午前中にエコーガイド下で中心静脈カテーテルを挿入した後に、その後誰もエコーを使わないので自由に使ってもよいというお言葉をいただきました。
こんな立派なものがあれば、嚥下エコーなんて楽勝では?
返却する前に、自分に試そうか
あるいは患者さんの嚥下評価の時にチョイ当てさせてもらおうか
このブログを事前に見せていた言語聴覚士に
「エコーが手に入ったけど、嚥下評価したい人いませんか?」
と聞いてみると、根回しが効いていたので特に抵抗もなく「やりましょう!」と言っていただけました。ありがたいなぁ。
患者さんも丁度いらっしゃったので、デビュー戦開始です。
その時に私が参考にしたのは、この図です。
ポイントは2つだけ
①まずコンベックスで舌骨みつけて、喉頭挙上の確認
②次にリニアで声帯見つけて、それより脚側に高輝度の塊があればそれは誤嚥
でした。
①喉頭挙上の確認
②声帯見つけて、それより脚側に高輝度の塊があればそれは誤嚥
これらが見えれば大成功であったが
やはり初めてのエコーがうまくいくわけがなかった。
写真がぶれる
そして、被験者も動くのです。
(もう一つ言うと、イメージでは縦に考えていましたが、横向きに映るので、頭の中で少し混乱しました。)
エコーで分かったことは
喉頭挙上はよく動いているねという事だけで
定量的に評価できるには練習が必要と感じます。
実践に嚥下エコーをやって気づいたこと
①嚥下をするとプローブが動く
当たり前である。頸部にプローブを固定しなければならないため、きれいな視野を出しにくい。解決策はプローブの固定方法を工夫するか、不快にならない保持の方法を考えなければならない。
②一人ではできない
これも当たり前であった。食べ物を用意して食べさせる人と、プローブを当てる人が必要であろう。プローブ当てながら食べさせるのは大変困難である。とはいえ、これは練習次第では一人でできるかもしれない。
③結局、改訂水飲みテスト等で結論を出しがち
誤嚥があるかどうか、嚥下機能が保たれているのかが客観的に測定できない(再現性がない)ので、結局ST評価の補助的な役割になっている。このデータを集めれば、良い研究になるに違いない。
④嚥下内視鏡よりは快適そうだが、プローブを強く押さえすぎると生理的ではない。
プローブを当てながらの嚥下は苦しそうであった。
これは適度な強さで当てるように練習すれば問題なし。
よかった気づきもある
⑤医者じゃなくても結構できる
実は今回のビューは言語聴覚士と研修医が当てたエコー像である。私のカメラの性能はさておき、医師の直接指導があればしばらくはこのスタイルで、練習していくしかない。
⑥明らかにモチベーションが上がっている。
私もそうであるが、言語聴覚士もエコーが使えることに喜びを見出しているよう。今後のチーム医療に一役買いそうだ。解剖学のレクチャーもできたので、エコーがなくても純粋に勉強になったと思われます。
今回は短めの話題でした。
嚥下エコーの初実践の感想は
①嚥下をするとプローブが動く
②一人ではできない
③結局、改訂水飲みテスト等で結論を出しがち
④嚥下内視鏡よりは快適そうだが、プローブを強く押さえすぎると生理的ではない。
と課題も多いが
⑤医者じゃなくても結構できる
⑥明らかにモチベーションが上がる。
という良い点も気づくことができた。
もし職場でエコーを見かけたら、是非お試しをされてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。