南砺の病院家庭医が勉強記録を始めました。An archive of medical articles summarized by a family physician from Nanto Municipal Hospital.

An archive of medical articles summarized by a family physician from Nanto Municipal Hospital.富山県にある総合病院で働く病院家庭医です。勉強の記録を少しずつ書いていきます。

高齢者におけるMultimorbidity patternとmemory trajectories:英国の老年医学の縦断的研究からのエビデンス

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Multimorbidity patterns and memory trajectories in older adults: Evidence from the English Longitudinal Study of Ageing 

The Journals of Gerontology: Series A, glab009, https://doi.org/10.1093/gerona/glab009
Published:
 
15 January 2021
 
前回に引き続き,今回も論文紹介タイムアタックです。
現在:2021年1月18日 0:48ですが,何分でできるか記録をつけてみます。
そして,連続投稿はもったいないので,実験的にTwitterにも予約投稿してみます。なにげにできたてホカホカのMultimorbidity pattern研究なので,個人的にはしっかり全文読みたい論文です。
 

背景
英国の高齢者の代表的なサンプル内のMultimorbidity patternと、同時およびその後のmemory trajectoriesとの関連を調べることを目的としました。

 

メソッド
私たちのサンプルは、英国の老化の縦断的研究(ELSA)の11,449人の回答者(ベースライン時の平均年齢は65.02歳)で構成されていました。14の健康状態と、7つの波(14年間のフォローアップ)にわたる即時および遅延リコールスコア(IMRCおよびDLRC)を使用しました。潜在クラス分析を実行してMultimorbidity patternを特定し、線形混合モデルを推定して、それらのmemory trajectoriesとの関連を調査しました。モデルは、社会人口統計学、BMIおよび健康行動によって調整されました。

 

結果
結果は8つのクラスを示しました:クラス1:心臓病/脳卒中(26%)、クラス2:喘息/肺疾患(16%)、クラス3:関節炎/高血圧(13%)、クラス4:うつ病/関節炎(12%) 、クラス5:高血圧/白内障/糖尿病(10%)、クラス6:精神障害/うつ病(10%)、クラス7:癌(7%)、クラス8:関節炎/白内障(6%)。ベースラインでは、クラス4は、多発性疾患のないグループと比較して、IMRCおよびDLRCスコアが低く、DLRCではクラス5であることがわかりました(n = 6380、全コホートの55.72%)。どちらのタスクでも、未調整のモデルでは、クラス1、3、および8の減少が加速していることがわかりました。また、DLRCの場合、クラス2および5でも同様です。ただし、調整後は完全に減衰しました。

 

結論
これらの発見は、健康状態の特定の組み合わせを持つ個人は、Multimorbidityのない個人と比較して記憶のレベルが低い可能性が高く、それらの記憶スコアは組み合わせ間で異なる傾向があることを示唆しています。社会人口統計学と健康行動は、誰が加速的な衰退のリスクにさらされる可能性が高いかを理解するための重要な役割を持っています。

 

この段階で5分でできてしまった。

TableとFigを付けてみます。

 

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各クラスの確率的疾患プロファイル。

クラス1:HRT、STK(n=1318);心臓病/脳卒中(26%)

クラス2:AST、LUNG(n=794);喘息/肺疾患(16%)

クラス3:ARTH、HBP(n=635);関節炎/高血圧(13%)

クラス4:DEP、ARTH(n=598);うつ病/関節炎(12%)

クラス5:HBP、CATR、DIA(n=531);高血圧/白内障/糖尿病(10%)

クラス6:PSY、DEP(n=527);精神障害/うつ病(10%)

クラス7:CAN(n=356);癌(7%)

およびクラス8:ARTH、CATR(n=310);関節炎/白内障(6%)

赤=クラス内の推定有病率。灰色=MM内の集団有病率。クラスターには
クラス内有病率の推定値がMM内集団有病率よりも高い条件

 

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意外と年齢が若めである。

 

即時想起と遅延想起の平均値と標準偏差

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即時想起に対するMultimorbidityクラス(参照カテゴリ:Multimorbidityなし)の切片と傾きの推定値 無調整モデルと調整モデル

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遅発想起に対するMultimorbidityクラス(参照カテゴリ:Multimorbidityなし)の切片と傾きの推定値 無調整モデルと調整モデル

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 Multimorbidityの患者のほうが認知機能障害が進みやすい

 

これだけでも15分プラス。

アブストラクトだけ紹介するのはかなり楽だということが分かりました。

たまにはこういうのも良いかなということでお許しください。

 

 Multimorbidity pattern研究は色々出ていますが

やはり一定の傾向があるのは間違いないのかなと思います。

パターンが見えれば予測や診断ができるようになるかもしれません。

今後が楽しみです。